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プロジェクトで見るスガテック 誇りと夢を胸に プロジェクト02 SN5コークス炉建設工事

製鉄プラントで高炉建設に並ぶ花形がコークス炉建設だ。しかも次世代コークス炉と呼ばれ、これからのコークス炉建設の主流になるものに携わるのならば、エンジニアたちの血は騒がずにはいられない。略称SN5、次世代コークス炉『SCOPE21』の2基目の建設にスガテックが挑む。夢に駆り立てられた男たちのそれぞれの想いがここに凝縮する。

プロジェクトメンバー
伊藤 昴 Subaru Itoh  工事部SN5工事プロジェクト 2007年入社 機械工学科卒
久保田 將之 Masayuki Kubota 工事部SN5工事プロジェクト班 2009年入社 機械システム工学科卒
石橋 裕樹 Yuuki Ishibashi 工事部SN5工事プロジェクト班 2009年入社 商業科卒

コークス炉の寿命は40〜50年、ここ10年前後に更新の嵐がやってくる。

写真  製鉄プラントの設備は製鉄を行ううえで、すべてがなくてはならないものだが、上工程の主役は『高炉』と『コークス炉』のダブルキャストが指定席といえる。高炉に鉄鉱石を投入し高熱を加え銑鉄を取り出すときに、還元剤として不可欠なのがコークスと石灰石であり、そのコークスを作るのがコークス炉だ。1970年代、日本では高度成長の波に乗って全国各地に製鉄プラントが建造された。スガテックのエンジニアリング技術が、高炉だけでなくあらゆる設備建設に発揮されたことは言うまでもない。しかし、コークス炉の寿命は通常40〜50年といわれる。2010〜20年代にかけて次々と寿命を迎え、更新(建替え)が必要になっているのだ。

期待のルーキー、次世代コークス炉『SCOPE21』の開発。

写真  コークス炉は、燃焼効率の改善、CO2の排出削減などが以前から課題とされていた。そこで将来の更新を見据えて、次世代コークス炉の研究・開発が経済産業省管轄のもと新日鐵を中心とする鉄鋼メーカー共同で進められていた。『SCOPE21:Super Coke Oven for Productivity and Environmental Enhancement Toward the 21st Century』と名付けられた次世代コークス炉は、試算では現行炉に比べて、コークスをつくる乾留時間を約20時間から約13時間に短縮し生産効率の向上が図れるほか、CO2の排出も年間約10万〜20万トン削減できると期待されていた。

SO5からSN5へ、技術とノウハウをリレー。

写真  SCOPE21が初めて実用化されたのは、2008年5月稼働開始の新日鐵大分第5コークス炉(略称:SO5)だった。この新設工事を請け負ったのがスガテックである。そして2基目の建設がいま進められている。新日鐵名古屋5コークス炉(略称:SN5)だ。もちろんここにもスガテックの総合エンジニアリング技術が活かされることになる。
 「このような大きなプロジェクトになると、施工は1社単独ではなく複数の会社が分担して工事を行います。大分のときは炉体本体といった中心部分をスガテックが施工しましたが、名古屋は炉体周りのプラットホーム機械や配管を担当しています。炉体本体の工事ではないけれど、自分の大分での経験が活かせる、やりがいのある仕事です」 こう語るのは工事監督の伊藤昴だ。伊藤はSN5への異動前、新日鐵大分SO5プロジェクトで初の次世代コークス炉建設に携わっている。その経験を買われての抜擢だった。 「2011年9月から関わっていますが、13年6月の稼働に向けて、私たちの工事が佳境に入るのはこれからなんです。いまは炉前プラットホームなど付帯的な工事と計画書作成が主体ですね」(伊藤)
 今回、伊藤とチームを組むのが、ともに入社4年目の久保田將之と石橋裕樹だ。久保田が伊藤のサポート的立場で実際の工事現場の監督を行い、石橋は配管系の工事監督を行う分担がされている。入社年だけでなく二人に共通しているのが、ともに住友金属鹿島のコークス炉建設工事を終えて2011年11月にSN5プロジェクトに異動で赴いたこと。それぞれの担当分野で習熟した技術をSN5で発揮することを期待されてのことだ。

スガテックマンとしてのプライドを胸に。

写真  「次世代コークス炉建設に携わるのは初めてで、すごくうれしいですね。炉体本体の工事ではなくても、周りを固める、炉体を心臓としたら血管とか筋肉をつくっているわけです。自身で培ってきた誇りとスガテックマンとしてのプライドをかけて取り組んでいます」(石橋)
 久保田はこう語る。「私たちが担当している機械の据付けは、例えばガイド車のレールなど誤差レベルプラマイ5を求められています。つまり5mmが許容範囲。こんな大きなプラントのなかの5mmなんて、と思うかもしれませんが、そこはシビアだし、だからこそ自分は1mmの範囲でやり遂げるつもりでやっていますよ」 同じく石橋も「コークス炉にガスを供給するミックスガス本管を工事しましたが、ガス漏れは絶対に許されないものなので、これは誤差1mmが絶対条件です。1本が4.5m、直径1.8mの管を約100m誤差なくつなげていくのは本当に大変でした」 工事工程をこと細かく規定するのが計画書だが、効率的に短期間に工事を行う術を考えるのが一番大変だし、一番面白いところだと皆が言う。石橋は「据付け方法が思いつかないときもあるんです。そのときが一番きついですね。でも必ず方法はある。先程のガス管も地下通路での据付けで、1.8mの管が入ると左右天地に500mmの余裕しかない。とても重機なんて使えないんです。考えた末、管を送りこむだけのレールを敷いて、100m先の出口からウィンチで引っ張った。これを思いついたときには武者震いしましたね」 と付け加えた。
 「自分の書いた計画書通りに工事が進み、何のトラブルもなく終わるのが理想。そしてその計画書がスガテックのスタンダードになることが夢。監督なら皆そう思っているはずですよ」(伊藤) SN5の工事完了予定は2013年6月、竣工を迎え安堵と達成感に輝く3人の顔が見られるまで、あと少しだ。

用語解説

  • コークス=鉄鉱石から鉄を取り出す際の還元剤として使われる。石炭を高温乾留して得られる、多孔質で固い炭素質の個体。火つきは悪いが無煙燃焼し、火力は強い。
  • コークス炉=石炭を蒸し焼きして鉄鋼材料となるコークスを製造する設備。
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